ZENKAIRACINGが製作するレーシングシミュレーターは、ハードウェア/ソフトウェア共に実車とバーチャル両方での走行経験豊富なスタッフによるセッティングによって、リアルな走行体験を実現しています。
より自然で集中できるステアリングフィールに必要な、各デバイスごとのセッティングノウハウもZENKAIRACINGの強みです。
今回は2025年7月よりFANATECデバイスの正規代理店となり、取り扱いを開始した『FANATEC GT DD Pro 5Nm』を用いて、チームメンバーで約1週間にわたり検証を行い、各種タイトル向けのモーターセッティングを開発しました。
対応タイトルは『グランツーリスモ7』『首都高バトル』『アセットコルサ』『iRacing』です。どのタイトルでも安定して走行できるレベルのセッティングを構築できましたので、共有いたします。
ドライバーの好みやスタイルによって必ずしも全員に適合するとは限りませんが、参考にしていただければ幸いです。
目次
■FANATEC GT DD Pro 5Nmのセットアップ項目
■SET.1 グランツーリスモ7(グリップ)
■SET.2 グランツーリスモ7(ドリフト)
■SET.3 首都高バトル
■SET.4 アセットコルサ
■SET.5 iRacing
FANATEC GT DD Pro 5Nmのセットアップ項目

今回セッティングした『FANATEC GT DD Pro 5Nm』には以下のセットアップ項目があります。
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【SEN】最大舵角感度
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【FFB】フォースフィードバックの強さ
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【FFS】常用域とピーク域の差を抑える制御(Linear/Peak選択)
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【NDP】ステアリングダンパー効果
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【NFR】路面接地感の強弱
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【NIN】ステアリングの重さ調整
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【INT】FFB信号の補間による滑らかさ調整
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【FEI】フォースエフェクトの強度
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【FOR】ホイールを押す力の強弱
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【SPR】中央へ戻すスプリング効果
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【DPR】摩擦を発生させる効果
基本的な項目は上位モデルの『ClubSport DD+』と共通ですが、DD Proには「FullForce」がなく、その代わりに「Force Feedback Scale(FFS)」が備わっています。
今回の検証では、FFSはいずれのセッティングも制限なしの「Peak」を使用しました。
SET.1 グランツーリスモ7(グリップ)


『グランツーリスモ7』においては、ゲーム側のFFBを最大に設定し、モーター側で強さを調整することで最も自然なフィーリングが得られることを確認しました。
5Nm出力をフルで使用するよりも、80%(約4Nm)に抑える方が扱いやすく、特に連続走行時の安定感が向上しました。
また、NDPを下げ過ぎるとステア挙動が過敏になり不自然であったため、30前後が適正と判断しました。
仕様変更によりアンダーステア時に大きな振動が発生する問題については、「INT」を15に設定することで解消。
結果として自然なFFBを再現できました。
SET.2 グランツーリスモ7(ドリフト)


ドリフト走行用としてFFBを100%に設定し、セルフステアの速度を確保。
ただし、5NmモデルのDD Proでは「手を添えるだけでハンドルが戻る」ほどの挙動は再現できず、一定の入力をドライバーが加える必要がありました。
より強力なFFBで早いセルフステアを期待するユーザー様は、8Nmモデルへのアップグレードを検討するのも良いでしょう。
SET.3 首都高バトル


Steam版『首都高バトル』Ver.1.0.1で検証。
本作はFFB情報が少なく、FFBの値を最大にしてもあまり強い手応えは得ることができません。
ゲーム性を重視し、SENを360°に設定して応答性を高めています。
直進時の安定にはNDPを強めに設定することが有効でした。
SET.4 アセットコルサ


PC版『アセットコルサ』ではWDTS製S15シルビアでドリフト走行を実施。
ゲーム側のゲインを70、モーター出力を100%とすることで、DD Proでも鋭いFFBが得られ、カウンター時も安定して挙動をコントロール可能でした。
GT7プレイヤーがアセットコルサに移行してドリフトを始める際、十分に推奨できるセットアップが完成しました。
SET.5 iRacing

iRacingでは、FFBを100%、NDPを15%とし、ゲーム側のStrength値を調整することで高い操作性を確認しました。
軽い車両(MX-5等)では快適に走行可能でしたが、FIA-F4などステアが重い車両では5Nmの容量不足により、情報量が減少し不自然な反力が生じました。

この場合、モーター側ではなくゲーム側のStrength値を下げることで改善できることが確認されました。
総括(2025年10月時点)
『FANATEC GT DD Pro 5Nm』は、FFBの応答が非常に早く、機敏なステアフィールが特徴です。
この特性を踏まえ、NDP・INT・FEIを中心に調整することで自然な操作感を得られることが分かりました。
設定項目は多岐にわたりますが、触らずにデフォルトのままが望ましい項目も多く、複雑さはそれほどありません。
お知らせ

2025年7月より、ZENKAIRACINGはFANATECデバイスの国内正規代理店となりました。
これまでFANATEC製品は公式サイトのみでの購入が基本でしたが、現在はZENKAIRACING公式ECサイトでも取り扱いを開始しています。
今後もチーム独自の検証を重ね、より多くのプレイヤーに最適なセッティングを提供してまいります。
FANATECの正規代理店、ZENKAIRACING ECサイトで購入できます。
ZENKAIRACINGが独自に設定したお得なバンドルセットもラインナップしています。

この機会にぜひZENKAIRACING ECサイトよりFANATEC製品をお買い求めください!


