2024年8月11日
『MEC 120 耐久2024 第2戦 モビリティリゾートもてぎ』
車両:No.71 ZENKAIRACING v.Granz
ドライバー:林 寛樹(ZR CEO)/兒島 弘訓(ZR Driver)/菅波 冬悟(ZR Support Driver)
リザルト:予選7番手/決勝2位
安定感のあるレースペースでトップ争いを展開!2位入賞でシリーズランキングも2位に浮上。
8月11日に、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたVITA-01/v.Granz混走の耐久シリーズ『MEC120』の第2戦に、No.71 ZENKAIRACING v.Granzが参戦いたしました。
ZENKAIRACING代表の林選手、同SIMエンジニアの兒島選手に加え、86レース・スーパーGT300クラスなどで活躍する菅波選手が第3ドライバーとして出場する体制で臨み、予選7番手からレース序盤からトップ争いに加わり決勝2位という成績を収めました。
■予選一発の速さに難アリ。CSD無しの影響も。
Rd.1鈴鹿では5位入賞という結果を持ち帰ったものの、マシンの戦闘力には改善の余地が見つかった71号車。
Rd.2もてぎに向け、ダンパーの仕様変更やブレーキパッドの変更といった車両アップデートを施し、事前のシミュレータートレーニングには最新版の『z.Grande』MODデータを使用し徹底的に走り込むなど、ZENKAIRACINGらしい準備を整え臨みました。
しかし、特にCSD(Haloに準じたコックピット安全デバイス)非装備車両ということで、ドラック増のリアウイング翼端板装着が義務となる影響か、ストレートスピードがライバルに対して伸びず、予選一発のスピード勝負では厳しい戦いが予想されました。
▲CSD装着車の31号車。71号車とはウイング翼端板形状が異なる。
直前まで余念のない調整を行い挑んだ予選でしたが、菅波選手のドライビングをもってしてもポールの87号車から0.783秒差の7番手(2’03.399)が精いっぱいという結果になりました。
■中盤以降レースを支配するも、SC発動に泣く展開に
8月11日15時34分。
『MEC120』第2戦モビリティリゾートもてぎ、120分の戦いの火ぶたが切って落とされました。
スタートを担当するのは、開幕戦に引き続きZENKAIRACING SIMエンジニアとしても活躍する兒島選手。
1周のローリングスタートを経てスタートが切られたと同時に、まずは1コーナーで10号車・87号車をオーバーテイクすると、続く5コーナーで666号車、立ち上がりで12号車を立て続けに攻略し、オープニングラップで4台抜きの3番手に。
続く2周目には86号車もオーバーテイクし、多くのチームでジェントルマンドライバーが担当するスタートスティントで一気にロケットスタートを決め、2番手に早くも浮上します。
トップの777号車が凄まじいペースで逃げつつも、それに続いて71号車も3番手以降を引き離していきます。
3番手を走っていた開幕戦の優勝車・86号車が接触によりスピン、上位を走っていた12号車がイレギュラーのピットインを行うなど、上位陣にトラブルが襲いますが、777号車と71号車は淡々と2台でリードを築いていくレース展開となります。
兒島選手はv.Granzクラスの車両の中で最もピットタイミングを遅らせ、22周目にピットイン。
ZENKAIRACINGサポートプロドライバーの菅波選手にドライバーチェンジを行います。
菅波選手に交代してから僅か2周後の25周目に、トップを走行していた777号車を捕えてトップに立ちます。
最終スティントに控える林選手の負担を減らすべく、後続とのリードをなるべく広げたい菅波選手はトップに立ってもペースを緩めず、レース中盤の34周目には2番手777号車との差を14秒差にまで広げますが…。
2番手777号車がピットに入り作業中、停止車両が複数台出たことによるSCランが発動。
これにより菅波選手が築いた後続とのリードを失ったばかりか、SCラン直前にピット作業に入った777号車が大きく得をする展開となりました。
SCラン解除後も菅波選手で引っ張り、再び後続とのリードを作り最後のピットインをレース約1時間50分経過後の47周目に決行。
林選手にドライバーチェンジします。
林選手は2番手でピットアウトし、そのポジションを守り切ってチェッカーを受けました。
SCランの影響により優勝には届きませんでしたが、アンダーグリーンの間で多くのリードラップを獲得できた71号車のレースペースの速さを見せることができ、シリーズランキング上でも2位に浮上することとなりました。
■Driver’s Voice
兒島 弘訓(ZENKAIRACING Driver)
前回の鈴鹿ラウンドから課題となっていたパーツやチーム運用に関して、対策を施し、このもてぎ戦に臨みました。
一部のアイテムはうまく機能してくれましたが、それでも鈴鹿で速かったチームには届かず、特に1発の速さで課題を残した状態で予選を迎え、厳しい現実を見ることとなりました。課題を解決するべく投じたセットチェンジも機能せず、菅波選手には非常に申し訳ないことをしたと感じております。
決勝では幸いにもロングランのペースは悪くなく、ある程度のペースがキープでき、チームとしてもミスなく運用ができた結果、2位を獲得できたことは非常によかったと思います。
自分自身の走りとしては、まだペースに課題があるものの、スタートドライバーの仕事は全うできたかな思います。特に序盤の混戦の中で抜いていくプロセスはシミュレータでオンラインレースを多くやってきたことによるものが非常に大きいと思いますし、普段中々練習ができず、レース週末のみ走る自分の身からすると非常に有益なツールだなと実感しております。
最後に、チームに関わって下さった全ての皆様に感謝申し上げます。今回課題となった部分の対策を進め、次回は悲願の優勝目指して頑張ります。
菅波 冬悟(ZENKAIRACING Support Driver)
今回の茂木ラウンドは、練習走行の段階からライバル達に対してスピードで劣っていたこともあり厳しいレースになると予想していました。
その中で自分達のベストなマシンの状態でレースプログラムに挑めたとは思うのですが、予選も8位※と不本意な順位となりました。
※他車の黄旗区間によるベストラップ抹消により、予選7番手に繰り上がり。
しかし、ロングランのペースに関してはライバルに劣らないことも分かっていましたので、決勝で巻き返そうとチーム全員で挑んだ結果、2位表彰台を獲得できて大変嬉しい結果となりました。
チーム全員大きなミスもなく、SCの不運もある中で優勝争いをしての2位はすごく価値のあるものだと思います。今後は不足しているペースを埋めていけるように引き続き頑張ります。
林 寛樹(ZENKAIRACING CEO)
まずは、MEC120 第2戦もてぎも、多くのお客様、ファンの皆様、スポンサーの皆様、チームメンバーはじめ、たくさんの方々のご声援とご協力を頂き、最後まで完走でき、全車で2位という結果(ポイントランキングも全体2位)を得ることができました。心よりお礼申し上げます。
第2戦は、昨年12月のもてぎ戦と同様に、プロドライバーの菅波冬悟選手とのコラボレーションでドライバーを編成しました。
私たちゼンカイレーシングは、SIMの開発を主としていますので、レースで得られたデータはすべてシミュレータシステムの性能向上のためにフィードバックしています。
私自身、業務多忙もあり、開幕戦の鈴鹿以来、実車での走行トレーニングの機会を得ることはできませんでした。それはチーム内ほかのドライバーも同じです。
しかし、開幕戦以降、鈴鹿でのデータを参考にしながらvGranzに限りなく近いマシンMODである『v.Grande』のパラメータ調整とSIM上での走行チェックはたびたび行っておりました。
毎月、ありがたいことに複数のお客様の元にSIMを納品させていただく際、実際にMECに参戦されている方もいらっしゃって、実車に乗ってらっしゃるからこそ、こちらも緊張感を持ちながらSIMおよびマシンMODの提供もさせていただいており、それらを通じてvGranzという車両に対して理解を深めることもできました。
今回のもてぎ戦より、ダンパーをOHして臨んだところ、マシンの動きも良い方向に大きく変わり、またMODデータへのフィードバックもしていかなくてはいけません。
それに加え、毎戦多くのvGranz車両が参戦される中、たくさんの実車ドライバーの方々と現地で会話を重ねさせて頂くことで私たちも新しい発見を得ることができていますし、その結果として更に進化するマシンMOD『v.Grande』にもご期待いただければと思います。(近日中にアップデート版を配布致します)
特に、ジェントルマンドライバーの方々においては、日ごろの会社経営や事業推進でご多忙かと思います。ですので、効率的なレーストレーニングを行うためにはSIMは非常に有効なツールであると日々実感しております。
同時に、多くのお客様からSIMのオーダーを頂いておりますが、常に『量より質』を意識し、しっかりとトレーニング効果を体感できる意味のあるSIMをご提供できるよう、日々SIMのレベル向上に全社を挙げて取り組ませていただいております。
今回の第2戦もてぎにおいては、菅波選手の的確なアドバイスと素晴らしいレースドライビングで大きなアドバンテージを得ることができました。また、弊社CTOでもある兒島選手の強烈なスタートダッシュと、レース中のデータ解析・セッティング検証により、大きくマシンの性能向上を実現することもできました。
また、チームスタッフの情報収集、解析、レースマネジメントにおけるサポートもあり、毎戦チームとしての進化を体感することができました。
レースはチーム戦。特に耐久ともなると関わるメンバーが一気に増えます。今回のもてぎ戦の結果も、全員で勝ち得たものとして、非常に誇るべきものと思っております。改めて、関係者各位に感謝申し上げます。
次戦のMEC120富士は10月。コラボレーションするプロドライバーはイゴール大村フラガ選手です。
毎戦毎戦、手を変え品を変え、いろいろな角度からアプローチしていくのが私たちゼンカイレーシングの良さであり強みです。その結果をすべてSIMとマシンMODにフィードバックし、ひとりでも多くの方にSIMの良さ、ドライブする楽しみを体感していただければと思います。引き続き、次の富士戦もご声援のほど、よろしくお願いいたします。
【ZENKAIRACINGオリジナル】z.Grande for Assettocorsa MOD Version1.5(個人利用) | ZENKAIRACING/公式オンラインストア
PERTAMINA / プルタミナ FASTRON GOLD 5W-30 SN/CF 4L | ZENKAIRACING/公式オンラインストア
PERTAMINA(プルタミナ)様、オイルサポートありがとうございます。
今季はVITA-01を使用し参戦する『FCR-VITA』、及びv.Granzを使用し参戦する『MEC120』をPERTAMINAオイルと共に戦って参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。
【TOTIM RACING】発泡シートフォームキット/120cm×90cm FIA F4・VITA・v.Granz対応サイズ | ZENKAIRACING/公式オンラインストア