4月21日、SeCRスーパーフォーミュラチャレンジ(SeCR SFチャレンジ)第1戦もてぎが開催され、クラブマンクラスをKoki Furuyaが、エキスパートクラスをTamas Simonがそれぞれ制した。
レーシングシミュレーターソフト『iRacing』を使用して行われる『SeCR SFチャレンジ』は、日本レースプロモーション(JRP)の協力のもと、SF23を使用して行われるレースシリーズ。オンラインレース5戦と、オフラインの特別戦1戦を開催する予定となっている。
そんなSeCR SFチャレンジは、iRacing内のドライバーレベルを表す『iRating』に応じて2クラスのレースを開催。iRatingが2999以下のドライバーが『クラブマンクラス』、iRating3000以上のドライバーが『エキスパートクラス』に振り分けられることとなる。
■Furuyaがクラブマンクラスを完全制圧
iRatingが2999以下のドライバーたちが集うクラブマンクラス。予選でただひとり1分30秒台をマークしたFuruyaがポールポジションからのスタートとなる。
この日のFuruyaは好調で、事前に行われたフリー走行でもトップタイムをマークしており、レースでの活躍が予想された。
レースは当初の予想通りFuruyaが1周目からハイペースで逃げていく展開に。一方2番手スタートのRyota Kuribayashiもスタートを決め、トップのFuruyaについていく。
練習走行で12番手だったKuribayashiは2周目の3コーナー、「緊張で足が震えた」と単独スピンを喫し戦線離脱。Fumihiro Kobayashiが2番手に浮上した。
そしてレース中盤、中団7番手争いが激化する。
7番手のKouji Itohに対し、8番手のSouma Suzukiオーバーテイクシステムを巧みに利用し急接近。5周目の最終コーナー手前の左コーナーで外からItohをパスし、Suzukiが7番手となる。
そのバトルに乗じて上位を狙うShigeru Ogawaだったが、後続のKazuki Hanedaに追突されスピンを喫しチャンスを逃してしまう。追突したHanedaはフロントウイングを失い、その後Toshihisa Kudouにも順位を明渡すこととなった。
2番手集団をリードするKobayashiは、後方のSasaki、Norio Kobayashiを従えて走行を重ねていく。
ワンミスで順位が変わってしまうような息詰まるレースを展開していく2番手集団。レース残りが2周となった時点で、3台が同時にオーバーテイクシステムを使用する展開となる。
そんななか後方での混乱をものともせず、トップのFuruyaはファステストラップを更新し続けながら走行を重ね、6周終了時点で2番手との差を10秒とする圧巻の走りを披露する。
レース後半は後続との差を見ながらペースをコントロールし、そのまま優勝のトップチェッカーを受け、SeCRスーパーフォーミュラチャレンジ・クラブマンクラス初代ウイナーの称号を手にした。
オープニングラップから息詰まるレースを展開していた2番手争いは、ついにそのままの順位で決着。2位Fumihiro Kobayashi、3位Yuta Sasaki、4位Norio Kobayashiというオーダーとなった。
<SeCRスーパーフォーミュラチャレンジRd.1 もてぎ クラブマンクラス正式リザルト>
■黒船襲来。ハンガリーからの刺客Tamas Simonがエキスパートクラスを制す
クラブマンクラスの後に行われた、iRating3000以上のドライバーが参戦するエキスパートクラス。
スーパーフォーミュラに参戦するAyumu Iwasa、Iori Kimuraを始め、Igor Fragaなどそうそうたるドライバーが参戦するなか、ポールポジションを獲得したのは、ハンガリーから参戦のTamas Simonだった。
予選は、トップのSimonから4番手Tomoki Hiroseまでが0.087秒差に収まる壮絶なタイムアタック合戦となる。
レース直前に参戦が決定しほぼぶっつけ本番で参戦したIwasaは見事3番手グリッドを確保してみせた。
そのIwasaはスタートを失敗、後続に飲み込まれてしまい、8番手まで後退。9番手にはKimuraがつけ、現実のスーパーフォーミュラでもしのぎを削るふたりが中団で走行することとなる。
一方トップのSimonと、2番手スタートのKazuma Kurosawaは抜群のスタートを決め、ポジションをキープ。5番グリッドだったFragaが3番手まで浮上してみせ、トップ集団を形成していった。
2周目、Fragaは早くもオーバーテイクシステムを積極的に使い、前を走るKurosawaとの差を縮めていく。しかしポジションを上げるまでにはいたらず、3番手をキープする。
追い抜きの難しいもてぎということもあってか、レースの序盤は大きな動きのないレースが進んでいく。
そんな静かな展開のなか、中盤に躍動したのはIwasa。5周目に前をいくHayata Asagaに対し3コーナーで勝負を仕掛ける。
Iwasaは4コーナー立ち上がりで7番手に浮上するも、オーバーテイクシステムを使いAsagaが応戦。3コーナーから90度コーナーまでを使った大激戦を演じてみせた。
90度コーナーの飛び込みでブレーキング勝負に打ち勝ったIwasaがついに7番手浮上。その間隙をついて今度はKimuraがAsagaをパスし、Asagaは一気に9番手までそのポジションを落としてしまう。
そんななか、優勝争いを繰り広げるSimonとKurosawaはファステストラップを出し合いながらのレース。Fragaもその2台にくらいつき、3台三つ巴のトップ争いが繰り広げられていく。
最終ラップまで息詰まるラップタイム合戦を繰り広げるも、勝負をしかけるまでには至らず、Simonが逃げ切りトップチェッカー。黒船SimonがSeCRスーパーフォーミュラチャレンジを席巻した。
惜しくも2位フィニッシュとなったKurosawaだったが、1分28秒479というファステストラップをマークし、レースを制したSimonに対し一矢報いる結果を残す。
終盤戦、レースを盛り上げた8番手争いのKimuraとAsaga。ペースの上がらないKimuraに対し、果敢に勝負を挑んでいくAsagaによる接触寸前の好バトルが繰り広げられるも、結局順位は変わらず。Kimuraが8位、Asagaが9位フィニッシュとなっている。
注目のIwasaはスタートのミスをリカバーし、7位でレースを終えた。
<SeCRスーパーフォーミュラチャレンジRd.1 もてぎ エキスパートクラス正式リザルト>
第2戦は5月6日(月・祝)にイギリス・シルバーストンで開催される。