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【SIMコラム Chapter.2】ZENKAIシミュレータが納品されるまでのプロセス

2024.10.15 15:03(2か月前) SIMPRODUCTS

“ZENKAIRACINGの製品とはどんなものなのか”という原点に立ち返り、ZENKAIRACINGのシミュレーターの特色や魅力に迫っていくSIMコラム。

今回のChapter.2では、商品の受注から納品まで、実際にどのような工程を経てお客様へシミュレーターを納品しているのか。その裏側に迫ります。

 

Chapter.1はこちらから

 

 

– Chapter 2 – 「ZENKAIシミュレータが納品されるまでのプロセス」

 

 

1.オーダーから組み立て準備

 

 

まず、お客様からお問い合わせを頂いてから、早速実際にお会いし、試乗頂いたり、お電話やZOOMなどを使用し、予算と使用目的をお伺いします。いわゆる要件定義フェーズであり、SIMの仕様を決めていくプロセスであり、もっとも大事なファクターです。ココでSIMの方向性が決まるといっても過言ではありません。フルカスタマイズで製作するZENKAI SIMだからこそ、お客様との対話を大切にしています。

 

購入前提・検討のお客様はZENKAIRACING OSAKAZENKAIRACING TOKYOZENKAIRACING CHIBAZENKAIRACING 墨田ファクトリーのいずれかでご試乗して頂きつつ、ご相談に乗りながら、仕様を決めていくことも可能です。大阪、千葉、東京の各店舗では、4.1軸モーションシステムと固定リジッドSIMの試乗が可能です。(大阪はSF14モノコックSIMも試乗可能)特に、開発拠点である墨田ファクトリーでは常時7台以上の様々な仕様のSIMをご用意しております。4.1軸のFormulaポジションやGTポジション、固定リジッドタイプでもFormula、GT、ドリフト、など様々な仕様があり、デバイスもSIMUCUBE、CubeContorol、Heusinkveld、MOZA、SIMAGICなど多種多様に取り揃えていますので、購入前のフィーリングチェックも可能です。

 

※SIM購入ではなく、ご自身(DIY)でSIMを組立る場合、試乗含めて有償でご相談にのるサービス「ZENKAIRACING SIM Select Session」をぜひご利用ください

 

実際にこのように座って、ドライビングして、検討することが可能

ステアリングの高さやモーター反力、ブレーキペダルのストローク、ペダル角度や位置、硬さなど変更しながらじっくり検討いただけます。同時にお客様の体型や走りのスタイルにあわせて、ドライビングポジションの変更も可能です。

 

SIMの使用目的としては、

“実車のレースの技術の練習をしたい”

“特定の実車の練習をしたい”

“eMotorSportを始めてみたい”

“eMotorSportで様々な大会で優勝を目指したい”

“シミュレーターショップやトレーニング施設を経営したい”

より具体的なところでは、

”耐久レース前提で安定して同じラップで走行できるようにしたい”

”スプリントレースの予選で走行直後にタイヤ熱入れて一発タイム出せるようにしたい”

“実車のレースに興味あるけどまずはシミュレーターで練習したい”

 

など様々なものがあるかと思います。

それぞれの用途に合わせて我々がシムライフをコーディネートするようなイメージで納品仕様決定を進めていきます。

 

 

フレーム図面をもとにご要望をメモ

 

試乗していただき、ある程度使用目的や緒言をお聞きしたところで、ここから様々なパーツの選定を行ってきます。

モーターやステアリングは、SIMUCUBE、CubeContorol、Sim-Lab、MOZA、SIMAGICなどから最適なものを選択。ペダルもGTタイプからFormulaタイプ、吊り下げなどの加工や、最近ですとSIMUCUBE製のActivePedalなどの情報入力デバイスがあります。シートもフォーミュラタイプ、箱車タイプ、ご希望の固有のものがあればそちらを取り付けることも可能です。

以前にも増してクオリティーの高いパーツの選択肢が増え、ドライバーがSIMから取得できる情報の質・量ともに上がってきています。SIMデバイスを熟知しているZENKAIRACINGだからこそ、お客様の好みやスタイル、SIMの利用目的にあわせて最適なデバイスの選定と取り付け方法の提案をしています。

 

ここまでの流れで、大まかなSIMの仕様についてのイメージのすり合わせができてきます。ご要望をお伺いした上で大まかなパッケージをご準備し、SIMの御見積りをご提示します。見積りの内容チェックを頂きながら、お客様からのご要望含めてご納得いただけたようであれば正式にGOを頂きます。そこからはじめてSIM製作がスタートします。(基本的に事前にご請求書をお送りし、事前入金いただきます。それで正式着手となります)

 

必要があればお客様のお車や参戦予定のレーシングカーの実車寸法を実際に測定し、計測シートに記録し、組み立て準備を進めていきます。

 

 

弊社オリジナルのポジション測定フォーマットに沿って測定、記録

 

 

2.アルミフレームSIMの組立てへの”コダワリ“

 

 

準備が完了すると、いよいよアルミフレームの組立てから始まります。

アルミフレームの組立ては単純にアルミフレームとそのジョイントを組み合わせていくだけではありません。治具プレートの上で平面を出しつつ、ジョイントも人によって取付誤差がないよう、治具を使い、精度よく、効率よく組み立てていきます。当初は、組立てをする人の”指先の感覚“で平面を出し、”属人的な感覚“でアルミフレーム素材の誤差を吸収していくようなやり方で、いわば”職人芸“的なアプローチもしていました。しかし、最近では弊社内の独自ルールで、均質的にアルミフレーム精度を出す方法を独自のフレーム組立て専用定盤や治具、それに加えて独自のアセンブリーマニュアルを作成し、可能な限り組立て精度を上げていく努力をしています。

 

実際に使っている組み立て治具プレートとアルミフレーム

シミュレーターのアルミフレームの組み立て方としてはオーバースペックと思われるかもしれませんが、精度よく組まれた筐体はガタや長期的な使用による緩みや不具合の防止につながります。具体的な点を1つあげると、4.1軸のベースフレームの前後4隅は、度重なるブレーキアクションや捻じれにより、圧縮と引っ張りを受け、緩む可能性がありますが、現在はゆるみが発生しないよう、ロックタイトの塗布や組付けの順番、ジョイントを固定する際の独自の治具利用、トルクレンチでのトルク管理を徹底しております。

 

ここからシートやデバイスを最初にご相談しながら決めた状態やご指定頂いた状態で組付け、狙ったドライビングポジションを出していきます。

 

もちろん写真のような吊り下げパターンにも対応しています

 

なんだかんだ、この調整作業が一番時間がかかります。

丁寧に、こだわりを持って、シミュレーターを作っている自分たちでも座って違和感がないか、確認しながら作業を進めます。

 

その後配線の整線やPCのセットアップを行い、ある程度アセンブリされた状態でお客様のもとに納品いたします。

(ご自宅等の搬入口の都合で一部分を分解して納品したりもいたします)

 

 

 

 

納品されたもとで最後の調整とお客様に実際にお乗り頂き、気になる点を調整し、仕上げをしたのち、各種ソフトウェアのご説明、ハードウェアの取り扱いの説明、その他注意事項等をレクチャーし、納品完了となります。

コンシューマー向けシミュレーターは一見、DIYでできるように見えますが、箇所に様々なノウハウが詰まっています。

ノイズや電流容量を考えた配線の取り回しと見栄え、フレームの組み立て精度とそれに付随するブラケットの剛性と組み立て方、ステアリングモーター側の設定やペダルの設定、角度の調整、そして各種ソフトウェアの調整など、多岐に渡ります。その多くの調整項目をしっかり設定し、納品されたその直後からソフトウェア、ハードウェアの性能を安定して引き出せる状態で納品させて頂いております。納品後はご使用していくうちに不明点や不具合等が出てくるかと思いますが、そちらのアフターケアについてもプラン(年間保守サポート費)があり、安心してご使用いただけます。

 

このようにご購入頂くお客様にご納得頂けるようにZENKAIRACINGとしてはお客様に寄り添ったシミュレータ製作を行っております。もちろん、この流れがすべてではありませんし、特殊な用途で使われる際は更に細かな打合せや仕様検討をさせて頂くこともございます。お客様に寄り添い、対話を重ね、お客様にご満足いただけるSIMを生み出すために、ただひたすらにまっすぐ、愚直に、精度とポジション、そしてSIMとしての製品バランスにこだわったSIMを日々生み出しています。

そんな我々とお客様で作り上げるこだわりの1品を欲しいとご要望いただければ、我々としても非常にうれしい限りで、シムビルダーとして本望です。

 

さて、Chapter2はここまでとしまして、次回Chapter3は弊社のフラッグシップ、ZR-SX400の誕生秘話とその設計思想、そしてその活用事例についてご紹介します。

 

前回の記事

【SIMコラム Chapter.1】ZENKAIRACINGが製作するシミュレーターとはどういうものか?

 

ZENKAIRACING プロダクトページ
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