2024年5月6日(月・祝)、SeCRスーパーフォーミュラチャレンジ(SeCR SFチャレンジ)第2戦シルバーストンが開催され、クラブマンクラスをKoki Furuyaが、エキスパートクラスをTamas Simonがそれぞれ制した。
日本レースプロモーション(JRP)の協力のもと行われるSeCR SFチャレンジは、レーシングシミュレーターソフト『iRacing』を使用して行われるレースシリーズ。オンラインレース5戦、オフラインの特別戦1戦を開催する予定だ。
そんなSeCRチャレンジは、iRacing内のドライバーレベルを表す『iRating』に応じて2クラスのレースを開催。iRacingが2999以下のドライバーが『クラブマンクラス』、iRating3000以上のドライバーが『エキスパートクラス』に振り分けられることとなる。
■2戦連続Furuyaがクラブマンクラスでポール・トゥ・ウインを達成
iRatingが2999以下のドライバーたちが集うクラブマンクラス。10分間、3周で行われたクローズド方式の予選(一台ずつ走行)では、FuruyaとKoki Hagaの一騎打ちとなる。
開始から7分を経過した時点では、トップのFuruyaと2番手のHagaが全くの同タイムで並ぶ緊迫のアタック合戦が繰り広げられる。
最後はFuruyaがタイムを縮め、2戦連続のポールポジションを獲得してみせた。
12周の決勝レース。スタートを決めたFuruyaがホールショットを奪う。3番グリッドのYoko Otakiが抜群のスタートを決め、3コーナーまでで2番手に浮上する。
中団では複数のマシンが絡む多重クラッシュが発生。
スタートでひとつポジションを失ったHagaは2周目、オーバーテイクシステムを駆使しながら前を行くOtakiに急接近する。そんなHagaはマゴッツ飛び込みでOtakiに並びかけ一気にパス。2番手のポジションを取り戻した。
そのバトルの間に、4番手Fumihiro Kobayashiと5番手Yuta Sasakiも接近し、3番手争いが激化していく。
3周目にはKobayashiがOtakiを捉え、バトルを展開する。しかしOtakiが3番手を死守する。
レース中盤、Hagaはペースを上げトップのFuruyaに接近していく。
2秒ほどあったギャップを1秒にまで縮めてプレッシャーをかけていくHagaであったが、9周目の終盤に痛恨のミス。トップのFuruyaとの差を5秒にまで広げられてしまい万事休すとなる。
11周目のホームストレート、3番手争いで波乱が起きる。
3番手のOtakiが失速したところにKobayashiが急接近。ホームストレートで勝負を仕掛けるがKobayashiのノーズがOtakiのリヤにヒットしOtakiはスピンを喫しクラッシュしてしまう。
このクラッシュにより5番手に浮上したShinya Nakayamaであったが、単独スピンを喫して16番手まで後退。この混乱に乗じて12番手スタートのRyogo Tobariは5番手までジャンプアップを果たした。
後方の混乱を尻目にトップを独走するFuruyaは危なげない走りで優勝。SeCR SFチャレンジのクラブマンクラスを2連続ポール・トゥ・ウインで飾ってみせる。
2番手には初出場のHaga、3番手にはKobayashiが入った。
12番手からのジャンプアップを見せていたTobariは最終周、Jun Takechiに一度パスされ、6番手に後退する。しかし、Takechiのブレーキングミスに助けられポジションを奪還し、5位フィニッシュを果たしている。
「大変でした」と語るのは優勝を果たしたFuruya。
「後ろからくる2番手のHaga選手と同じペースで走って、後ろがミスをしてくれないかな、自分もミスをしたらまずいなと思いながらラップを刻んていました」
「本番も練習と同様にミスなく走り切れて、優勝を掴み取れて嬉しいです」
「相手(2番手のHaga)がオーバーテイクシステムを使っているかどうかがわからなかったので、ギャップを調整しつつスリップを使われない距離を保ちながら走っていました」
第3戦に向けては「(インターバルが)1ヶ月ほどあるので、iRatingをあげてエキスパートクラスに挑戦したいです」と語った。
■465ガレージが1〜5位を独占。Tamas Simonが2連勝を飾る
クラブマンクラスの後に行われた、iRating3000以上のドライバーが集うエキスパートクラス。
第2戦はSFアンバサダーのIgor Fragaに加え、スーパーGTなどで活躍するTogo Suganamiも参戦するなど、注目が集まった。
そんななか予選を席巻したのは465ガレージ勢。参戦している6台のうち5台が予選上位を占める展開となる。そんななかポールポジションを獲得したのはTamas Simon。2戦連続ポールポジションとなった。
2番手には初参戦のSho Momoseがつけ、3番手にはYuki Okonogiが入る。
ポールポジションのSimonと2番手スタートのMomoseは抜群のスタートを決めポジションをキープ。3番手スタートのOkonogiは4番手スタートのKazuma Kurosawaにパスされひとつ順位を落としてしまう。
後方では、11番手スタートのYuki Shirakawaが6番手までジャンプアップを果たす。予選でミスがあり20番手スタートに甘んじたFragaも11番手までポジションを上げてみせた。
2周目のホームストレート、2番手走行中のMomoseがスローダウンし5番手まで後退。前戦2位のKurosawaが2番手に浮上しトップのSimonを追いかける展開となる。
4周目、Hayata AsagaがYuto Satoをパス、そこに続いてKazuki TanakaもSatoをオーバーテイクするが、5コーナーで痛恨のスピン。Tanakaはここで戦線離脱となってしまった。
Suganamiは4周目にチームメイトのMamoruOkadaを交わし11番手浮上。スタートからそのポジションを4つ上げる力走をみせる。
レース中盤、FragaがAsagaの背後に接近。eスポーツ出身のリアルドライバー対eスポーツ一筋のSIMレーサーによるドッグファイトが始まっていく。
Fragaは9周目のストウコーナーで勝負に出る。Asagaの内側にマシンを入れオーバーテイクを仕掛けるがここでは抜け切れず。
続く17コーナーの立ち上がりでFragaがAsagaをようやくパス。8番手に浮上する。
しかし10周目にAsagaは逆襲。オーバーテイクシステムを駆使し、ストウコーナーでFragaを差し返し8番手のポジションを取り返してみせる。
このバトルは最終ラップまで続き、オーバーテイクシステムを使い切ったAsagaはハンガーストレートで力尽き、Fragaがオーバーテイクし8位フィニッシュ。Asagaは9位でレースを終えた。
序盤大きく順位を落としていたMomoseは最終ラップ、チームメイトのOkonogiを交わし3位表彰台を獲得する。
そして優勝はTamas Simon。2戦連続のポール・トゥ・ウインを果たし、ファステストラップも獲得する完璧な勝利を飾った。
2位はKurosawa、3位はMomose、4位Okonogi、5位Sanoと、465ガレージ勢がトップ5を占める圧倒的なレースをみせた。